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映画館へ行こう

映画館で映画を観るのが大好きです

2015年に映画館で観た中でおもしろかった映画トップ15

映画 まとめ

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# 神戸空港へ向かうポートライナーから撮影


今年観た一番きれいな夕日です。


さいきん映画館とはすっかり疎遠になりつつあるいとっとです。
ここ数か月は映画を観ている時間よりも走っている時間の方が長くなっていて、観たかったのに観ないまま劇場での上映を終えた作品が死屍累々としております。走るだけならまだしも、ここしばらくは仕事もちょっぴり忙しくてそれも映画館から足を遠のかせています。


昨年末あたりから映画を観ても感想を書かなくなってしまったのでもうぜんぜん映画を観ていないと思われているようですが、かなり減ってはいるもののそれでもそこそこ映画館には足を運んでいます。今年観た作品は88本なので昨年の7割くらいまで減っちゃいましたが...。


さて。

2015年もあと2週間足らずとなりましたので今年観た映画の中からおもしろかった作品のトップ15を選びます。
15本にしたのは2015年にちなんで...というよりも10本に選びきれなかったので2015年にかこつけて15本選びました。

おもしろかった作品15本


おもしろかった作品15本は以下のとおりです。順番は印象につよく残った順番です。


  1. 陽なたのアオシグレ
  2. シンデレラ
  3. 6才のボクが、大人になるまで
  4. コードネーム U.N.C.L.E
  5. IMAGINE
  6. 海街diary
  7. フランシス・ハ
  8. キングスマン
  9. ヒロイン失格
  10. I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE
  11. マッドマックス 怒りのデス・ロード
  12. アントマン
  13. アデライン、100年目の恋
  14. アリスのままで
  15. 海にかかる霧

入れようか悩んだのは「祝宴!シェフ」「幕が上がる」「さいはてにて」「はじまりのうた」「フォーカス」「ジョン・ウィック」「マイ・インターン」「俺物語!!」「ピースオブケイク」「プリデスティネーション」です。どの作品も選んだ作品と並ぶくらいよかったのでおすすめです。


1位 陽なたのアオシグレ


2015年は素晴らしい作品がたくさん公開された一年だったのですが、じゃあ一番印象に残ってる作品はなに?と考えてみたらこの作品でした。

この作品は「台風のノルダ」という作品と同時上映された作品でして、過去に別の作品といっしょに一度公開されたことがある作品です。もともとは「台風のノルダ」が観たく観に行ったのですが、観てみたらこっちの方がだんぜんよくてめちゃくちゃ気に入ってしまいました。

物語の大半はしょうじきわたしの苦手なタイプの話なんですが、中盤以降のあるシーンがすごくよくてもうここだけ何度も何度も見たくなるほどグッとひきこまれてしまいました。大好きなスピッツの「不思議」が使われてるだけでもかなりポイントが高かったのですが、実写ではなくあえてアニメーションを表現媒体として選ぶことに対するひとつの答えだと思いながら鑑賞しました。


YouTubeに予告が上がっているので興味がある人はぜひ見てみてください。


2位 シンデレラ


誰もが知っている名作の実写化でしたが期待して以上にすごいよかったです。

衣装がとにかくステキだったのとほんとうに魔法を使ってるんじゃないかと思ってしまうほどよくできた映像もよかったのですが、とにかくよかったのがシンデレラが幸せになるラストに向けて丁寧に前振りが積み重ねられていたところです。継母に理不尽にいじめられていたシンデレラが最後は誰よりも幸せになるというところにカタルシスを得られるようにひとつひとつのシーンが積み上げられていて観ていてめちゃくちゃイライラさせられて、そしてその分そのあとにおとずれる喜びは最高でした。

この作品で一番好きなシーンは舞踏会に参加したシンデレラが大広間に入ろうとする直前のドキドキ感あふれるシーン!あそこはもう最高でした。これまで苦労に苦労をかさねたシンデレラが幸せになる第一歩を踏み出すんだなと思ったらうれしくてうれしくてもう大広間に入る前から泣きそうになっていました。というか泣いてましたね(笑)


3位 6才のボクが、大人になるまで


主人公の少年が、実際に6才から18才になるまでの時間経過に合わせて撮られた作品でして本人の実年齢の変化を撮ったとてもユニークな作品です。
リチャード・リンクレイター監督はわたしが大好きな作品である「ビフォア・サンライズ」「ビフォア・サンセット」「ビフォア・ミッドナイト」の監督でもあるのですが、こういう物語の中の時間経過と現実の時間経過をマッチさせる手法が完全にわたしのツボです。12年もかけてひとつの作品を撮るなんて誰もこんなの真似できないと思います。


4位 コードネーム U.N.C.L.E

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ギャビーは60年代の衣装がすごく似合ってたしめちゃくちゃかわいかったけど、やっぱりアミハマにはかなわなかったですね。
アメリカとソ連のスパイがいやいやながらも手を組むっていうシチュエーションだけでもおもしろそうなのに、その期待を5倍くらい上回るおもしろさでした。ソロとクリヤキンとギャビー3人のやり取りをずっと観てたいです。


こんなに続編ありげに終わってるのになんで続編ないんだーーーーーー!(涙)


5位 IMAGINE

目の前にあるのにそれがどういうものなのかを見ることができないもどかしさが見ていてすごく伝わってきたし、目の見えない人たちが見ている「光ではなく音が見せてくれる世界の姿」もこの作品をとおして見ることができました。

「IMAGINE」見たよ - 映画館へ行こう
6位 海街diary


ひさしぶりの是枝監督作品でしたが、「歩いても 歩いても」と同じくらいよかったです。
死ぬ前にふと自らの人生を振り返ったときにまっさきに思い出すような、そんな特別な出来事をふつうに描いた傑作でした。


7位 フランシス・ハ

そしてわたしがこの作品というかフランシスのことがすごく好きだなと感じるのは、一見空気がまったく読めないようにも見えるフランシスも実はものすごい自分を取り巻く空気に敏感であるという点です。年齢相応に見えないと言われたら少し傷つくし、誘いを断られたら「いーよいーよ」と気にしていないように言いながらじつはやっぱり傷ついています。

大胆で奔放に見えるけど実はすごく繊細というところがとてもリアリティがあるなと感じました。

「フランシス・ハ」見たよ - 映画館へ行こう
8位 キングスマン

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今年がスパイ映画豊作の一年であることには異論がないと確信していますが、その中でもちょっと変わった、でも異様におもしろくて強烈な印象を残したのがこの作品でした。悪ノリも度が過ぎればわりとふつうにおもしろくなってしまうんだなと感心してしまいました。

9位 ヒロイン失格

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中途半端に笑いを狙いにきている作品は好きじゃありませんが、こういう針の振り切れた作品はもう大好物です。
本作の監督である英勉監督は、以前にも「高校デビュー」という作品でこんな感じの作品を撮っているのですがそちらもめちゃくちゃおもしろかったのでおすすめです。こういうやりすぎコメディをもっと映画館で観たい!



10位 I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE

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チャーリー・ブラウンもまたそういったギャップの大きさに悩んでいるのですが、彼はそのギャップから決して目を背けることなくいつも現実の自分と向き合っています。いつもドジばかりで周囲から尊敬を得られていないんじゃないかと悩む姿には共感をおぼえる一方で、そんなふうに悩んだり不安を抱えていることをごまかそうとは決してせずにありのままの自分で勝負し続けることにはとても真似できないなと思ってしまうのです。

「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」観たよ! - 映画館へ行こう
11位 マッドマックス 怒りのデス・ロード


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12位 アントマン

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映画としては文句なしにすごいおもしろかったのですが、それ以上にリアルなアリの生態を正しく再現していてアリマニアからのウケもいいという話を聞いたときに感じた言葉にしがたい感動というか衝撃が大きかったのでトップ15に選びました。そういう「わかる人にはわかる」というところにこだわっている作品大好きです。


13位 アデライン、100年目の恋

ちなみに、わたしがこの作品ですごく好きなシーンは「やっと出会えた自分が年をとることができない人間なんだと打ち明けようと思ったくらい好きになった男性のお父さんが実は40年前に付き合っていたすごく好きだった人で、お父さんも彼女のことがすごく好きだったので忘れてなくて、そんなお父さんの前に40年前と変わらない彼女が出てきたもんだからものすごく動揺して、動揺しすぎたのか興奮しすぎたのか40年前の彼女との思い出をのろけだしたら横にいた奥さんにブチぎれられるシーン」です。

「アデライン、100年目の恋」みてきた - 映画館へ行こう

過去の女性関係で奥さんがキレるというシチュエーションはなんかいたたまれなくて見てられなくてそれがすごくたまらないです。


14位 アリスのままで

この作品は優秀な言語学者が若年性のアルツハイマーによってすべてを忘れていってしまうという物語であり、その過程を丁寧に描いた作品です。この作品が描いている内容はまさにわたしが恐れていた出来事そのものなので観る前はかなりビビっていたのですが、実際に観てみたらたしかに忘れてしまうことはとても怖くて悲しいことだと実感できたのですが、一方で「忘れてしまうことよりも忘れられてしまうことの方が怖いし悲しい」ということもつよく感じました。

「アリスのままで」見たよ - 映画館へ行こう
15位 海にかかる霧



ふだんから悪いことをしている人はちょっとやそっとの悪事では身を滅ぼすことはないのに、ふだんはまじめに生きている人がちょっと悪事に手を染めただけですぐに身の破滅を迎えるという現象にはなにか名前を付けたいです。


総合ランキングのまとめ


表にまとめます。

順位 タイトル
1位 陽なたのアオシグレ
2位 シンデレラ
3位 6才のボクが、大人になるまで
4位 コードネーム U.N.C.L.E
5位 IMAGINE
6位 海街diary
7位 フランシス・ハ
8位 キングスマン
9位 ヒロイン失格
10位 I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE
11位 マッドマックス 怒りのデス・ロード
12位 アントマン
13位 アデライン、100年目の恋
14位 アリスのままで
15位 海にかかる霧

まとめ

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# さいきんお気に入りの福島空港


わたしは2006年の夏から映画館で映画を観始めたのですが、2007年以降はずっと年間100本以上の映画を観続けてきました。
今年は2006年以来、初めて年間100本を割ることになりそうなのですがそのことがすごくさみしいと感じる一方で映画館で映画を観ることにこだわりつづけてきた呪縛のようなものから解放されたような心地よさも感じています。結局、どんなにがんばっても1日は24時間以上にはならないし、やりたいことが増えたらなにかを減らすしかないという当たり前のこととやっと向き合えています。


映画館で見る映画はほんとうにおもしろいし大好きなんですが、来年も今年くらいの頻度で映画館通いして映画館といい距離で付き合えればいいなと思っています。

「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」観たよ!

映画


いつも空想力豊かなスヌーピーは、パイロットの“フライング・エース”となって宿敵レッド・バロンを追跡して倒すべく、大空へと飛びたち危険なミッションに挑む! 一方、飼い主チャーリー・ブラウンも、彼にとって壮大な冒険の旅に向かうことに…。

I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE 映画作品情報 - シネマカフェ

幼児のころ、誰からもらったのかわかりませんがわがやには大きなスヌーピーの人形がありましてそれがわたしの宝物でした。寝るときも遊ぶときもいつも手元から離すことなく持ち歩くくらいだったせいで、いつしかスヌーピーはボロボロになってしまいました。

もう古くなったから新しいぬいぐるみを買おうよと言われても「これがいい」とまったく聞く耳をもたず、ボロボロになったスヌーピーを片時も手放さないわたしを見かねた両親がある日勝手にスヌーピーを捨ててしまったためにしばらく泣き喚いていたことはよくおぼえています。

30年以上前のことなので詳しいことはおぼえていませんがめちゃくちゃ悲しかったことはおぼえています。

それ以来、スヌーピーを見るとなんだか悲しい気分になるためにスヌーピーからなんとなく距離を置くようになってしまいました。スヌーピー自体は相変わらず大好きでしたが見ると捨てられたときの思い出しちゃって無理でした。


というわけで、いまだにそのことを引きずっているわけではありませんがずっとスヌーピーとは疎遠になっていたこともあって本作も公開前はあまり観る気はありませんでした。


本作はスヌーピーの物語...かと思っていたのですが、観てみたらチャーリー・ブラウンの物語でした。

本作の主人公チャーリー・ブラウンは、ドジでまぬけで何かするたびに周囲の人たちにバカにされたり笑われたりしているのですが彼はそんなダメな自分から目を背けることなく直視した上で理想の自分と現実の自分のギャップを埋めようとがんばることができるとても魅力的なキャラクターです。

彼は自分の気持ちにとてもまっすぐで、自分なりの正義やルールを曲げることは決してありません。
自身で課したルールを固く守り続けるよりも、ルールを破ってでも目の前に置かれている課題を解決するために適当に折り合いをつけて生きる方がとても楽だということは彼もよくわかっているのですが、たとえ損な生き方を選んでいるとわかっていても彼は自分に課したルールは絶対に守ります。

誰が見ているわけでもないのに自らに課したルールを守り、自分が信じる正しさを貫き続けるのです。


物語が始まってしばらくはそんな彼の不器用すぎる生き方にイライラしてしまったのですが、それでもずっと彼のことを見ているうちにそのまっすぐさに心を奪われてしまいました。甘い誘惑や欲求に負けることなく自分に課したルールを守り続けるチャーリーのことが見ているうちに大好きになったのです。


理想と現実。

人は誰でも「こうありたいと願う理想の自分の姿」と「現実の自分の姿」というもののギャップに悩んでいるというのがわたしの持論です。「こういう人でありたいと願う姿」と「現実の自分の姿」のあいだにはマリアナ海溝よりも深い断絶がかならずあって、本来であれば現実の自分に足りない部分を正しく把握してその足りない部分を少しずつ埋めていくことで理想の自分に近づいていけるのですがそういう地道な努力できる人は本当にごくごくわずかで、大抵の人はそのギャップから目を背けたりあきらめることで折り合いをつけてなんとか生きているのです。

わたしも理想の自分と現実の自分を比べることがよくあるのですが、ほんと死にたくなるくらい現実の自分ってどうしようもないですからね...。


チャーリー・ブラウンもまたそういったギャップの大きさに悩んでいるのですが、彼はそのギャップから決して目を背けることなくいつも現実の自分と向き合っています。いつもドジばかりで周囲から尊敬を得られていないんじゃないかと悩む姿には共感をおぼえる一方で、そんなふうに悩んだり不安を抱えていることをごまかそうとは決してせずにありのままの自分で勝負し続けることにはとても真似できないなと思ってしまうのです。


不器用すぎるくらいまっすぐに自分の気持ちにまっすぐであり続けるチャーリー・ブラウン

そういうまっすぐさは人間的な魅力として伝わってくるのですが、でもそのまっすぐさは悪く言えば不器用さでもあるために、損な役回りを受け持つことになったりやりたいことがうまくできなかったりして結局彼が願うことはかなわずじまい。そこがすごくかわいそうだなと思っていたのですが、最後の最後で彼が好意を寄せていた女の子が彼のよさをちゃんと理解してくれていたことがわかってめちゃくちゃうれしい気持ちで映画を見終えました。


@TOHOシネマズ宇都宮で鑑賞

「ラスト・ナイツ」観た!

映画


とある封建国家を舞台にした物語は、高潔な心を持つ領主、バルトーク卿が悪徳大臣ギザ・モットの奸計に陥り、いわれなき反逆罪に問われ るところから始まる。腐敗がはびこる国の未来を憂うバルトークは皇帝から死刑を宣告され、彼の忠実な部下である騎士団の隊長ライデンが斬 首の役目を命じられる。バルトークから「使命を果たせ」と告げられたライデンは、断腸の思いで敬愛する主君の首に刀を振り下ろした。 それから一年後、身分を剥奪され、領地から追放されたライデンは、酒浸りの無為な日々を送っていた。しかし、そこにはギザ・モットの監 視の目を欺くための用意周到な計略があった。やがて筆舌に尽くしがたい辛苦を耐え抜き、憎き宿敵への復讐の好機到来を確信したライデンは、 少数精鋭の部下を率いて“最後の騎士”の誇りを懸けた死闘に身を投じていく…。

ラスト・ナイツ 映画作品情報 - シネマカフェ

紀里谷和明と言えば「宇多田ヒカルさんの元旦那さん」というのが世間一般の認識だと思いますが、映画好きのあいだでは地雷映画監督という印象の方が強いだろうと思います。わたしは未見なのですが、多くの人の心を切り裂いて癒えぬ傷を作った「キャシャーン」はいまもなお語り継がれる伝説の駄作だと言われています。

わたしは観てないのでノーコメントで。

ちなみにその後に撮った「GOEMON」もまた駄作だという人が多いのですが、じつはわたしは楽しく鑑賞できた作品でしてすごい好きな作品だったりします。映像もユニークだったしストーリーも...ど、独創性があってすごくよかったと思います。おもしろかったよ!

と、わたしの評価はさておいて、ちまたの映画好きからは紀里谷さんのフィルモグラフィーはいずれも「微妙な作品」という評価を得ていたし、その流れでこの「ラスト・ナイツ」もおそらく地雷だろうというのがまことしやかさにささやかれていました。実際、予告映像もかなり微妙でしたしね...。

となると映画好きはもうキリキリの作品は観に行かないだろうしだったらおれが観に行くしかないなと思って息巻いていたのですが、公開日は神戸にいたしそのあとも平日は仕事が忙しくて行けなかったり週末はフルマラソンがあっていけなかったりとなかなか足を運ぶことができずにいました。

そうこうしているうちに上映回数はメキメキと減っていき、公開した週には1日5回くらい上映されていたのに翌週には1日1回から2回程度へと減らされていました。どんだけ人が入ってないんだ...。


早く観に行かないと終わる、でも行けない...ともたもたしていたのですが、今日やっと観に行くことができました。

長い前ふりもやっと書き終わった!



というわけで本題。
「ラスト・ナイツ」観てきましたが、覚悟していたほど合わない作品ではなく、むしろ「わりとおもしろい!」と興奮する程度には楽しんで鑑賞してきました。緊張感あふれる導入部は観ていてすごくワクワクしたし気分もグッともりあがって高揚しました。


ただ中盤以降の失速感は相当でしてあまりにおもしろくなくて観ていて心底疲れました。ラストに向けての溜めの部分であるというのはわかっているのですが、でもそれにしたってあまりに物語が停滞しすぎて飽きてしまいました。そしてそこまでして溜めに溜めて訪れた後半も、登場人物同士の無駄な会話だとかやり取りがやや多くてダラダラとし過ぎているんじゃないかと感じました。


作品としてはよくまとまっているし、ストーリーもおもしろかったんですけどねー。もうちょっとだけよくなれば傑作と呼ばれるだけの素養は感じただけになんだか惜しいなと感じるところが多かったです。


@TOHOシネマズ宇都宮で鑑賞

今年一番のお気に入りスパイ映画「コードネーム U.N.C.L.E」を見てきました

映画


核兵器で世界破滅を企む凶悪テロ勃発! 各国の首脳に緊張が走った。スパイ史上あってはならない禁じ手だが、宿敵同士の2 大国家アメリカとロシアが手を結ぶしかない。CIAで最も有能だが女性関係に問題アリのナポレオン・ソロと、KGBに史上最年少で入った超エリートだがメンタルに問題アリのイリヤ・クリヤキンが選ばれ、腕は最高・相性は最悪のスパイチームを結成。タイムリミットが迫るなか、世界を救いつつ相手も殺せと究極の指令を受ける2人。キャラも作戦も真逆な彼らが、金と頭脳と悪を結集させた史上最大の敵を倒すことは出来るのか──?

コードネーム U.N.C.L.E. 映画作品情報 - シネマカフェ


いろんなところでいろんな人が書いているのでいまさらな話ではありますが今年はとてもおもしろいスパイ映画がたくさん公開された年でした。シリーズものとしては「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」と「007 スペクター」が公開され好評を博していますし*1、コミックを原作とした「キングスマン」はリアリティある世界観に軸足を置きながらも「これはちょっとやり過ぎだろw」という針の振り切れた部分もシリアスさと同じくらいかそれ以上に持ち合わせたとてもユニークな作品でしてめちゃくちゃおもしろかったです。


思い返してみれば、そもそもわたしはスパイ映画は得意ではないというか、スパイ映画に限らず潜入捜査ものはドキドキしすぎて観ていられないのであまり好きではありませんでした。おもしろさはわかるんですがなんか緊張感に耐えきれないんですよね...。でもそんなわたしにも好きなスパイ映画というのがありまして、それを観て以来スパイ映画をわりと好んで観てみるようなりました。


それは「ゲットスマート」という作品です。

ゲット スマート(初回生産限定スペシャル・パッケージ) [Blu-ray]

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もともとはアン・ハサウェイ目当てで観に行った作品でしたが、あまりのバカバカしさに思わず笑ってしまうシーンが満載のコメディでして、「スパイ映画でもこういう笑える作品があるのか!」とかなりびっくりしました。緊張感なんてのは終始どこにもなくて、あるのは思わず吹きだしてしまうようなくだらなくて楽しいシーンばかりなんです。

いまでも好きなスパイ映画を聞かれたら「ゲット スマート!」と答えるくらい大好きな作品でして、おそらくこの作品の影響だと思うのですがスパイ映画には荒唐無稽で破天荒であることで生まれる笑いを求めてしまうのです。*2


本作「コードネーム U.N.C.L.E」は上に書いたようなわたしが求めていたタイプのスパイ映画ではありませんでしたが、でもわたしにスパイ映画のもつ魅力の新しい一面を教えてくれた作品でして、今年は観たスパイ映画の中でもとりわけおもしろかったです。これもうめちゃくちゃ大好きです。


ソロとイリヤのファーストコンタクトからのバトルはとても見ごたえがあったし、その後二人が反目しあいながらもじょじょに相手のことを認め合っていって本当のバディのように共闘していくようになる一連のシークエンスは観ていてとてもワクワクしました。

冷戦下の米ソの緊張感を漂わせつつも、でも合間合間にくすっと笑える小ネタを挟んだり、イリヤとギャビーの恋愛パートをちょっぴり見せることでシリアスになり過ぎないようにうまく空気をコントロールしていたためにとても気軽に、そして楽しく物語を楽しむことができました。

ある記事で「軽薄さ」と評しているのを読みましたが、設定が重苦しすぎるからこそ軽薄であることが救いになっていたんだなと実感しました。


あと、ギャビーは衣装も含め彼女はすごくキュートで一目で心惹かれてしまいました。




唯一残念だったのは、上映開始直前に仕事の連絡が入ってしまったために冒頭5分くらいを見逃してしまったことです。
見始めたのはソロがギャビーを連れ出して逃げ出すところでしたので、なんでこういうことになっているのかわからなくてすごくむずむずしました。その後の展開を見ればなんとなく話はつながるのでよかったのですが、できればソロとギャビーのファーストコンタクトからぜんぶ観たかったです。


もう一回観るか...。


@MOVIX宇都宮で鑑賞

*1:スペクターは今日から公開なのでさすがに好評だと評するのはいささか勇み足のような気もしますが予告を観る限りおもしろいことは間違いないのでここではおもしろかった作品として扱います

*2:ちなみにリメイク元というかネタ元はテレビ番組らしいのですがそちらはまだ観ていません

「劇場霊」見たよ

映画


芸能事務所に入って5年、いまだ役に恵まれない若手女優・水樹沙羅(島崎遥香)は、気鋭の演出家・錦野豪太(小市慢太郎)の新作舞台に端役で出演することに。演目は、若さを保つため少女の生き血を浴びていた実在の女貴族エリザベートの生涯を描く「鮮血の呼び声」。舞台にはエリザベートの内面を映し出す分身の人形が置かれ、その前で沙羅や主演の篠原葵高田里穂)、野村香織(足立梨花)らは火花を散らしながら連日稽古に打ち込んでいた。そんなある日、劇場でスタッフの女性が変死体で発見される。その直後、今度は葵が転落事故で意識不明の重体に。葵の降板を受け、沙羅は急きょ主演に抜擢される。ところが稽古中に、沙羅は舞台に置かれた人形が動き出すのを目撃。果たして目の錯覚か、それとも…。劇場にただならぬ気配を感じとった沙羅と美術スタッフの和泉(町田啓太)は、人形を制作した作家・児島(中村育二)を訪ねる。ところがその頃、劇場ではこの世のものとは思えない「ちょうだい…ちょうだい…」という声が響き渡り、新たな惨劇が巻き起こっていた――。

劇場霊 映画作品情報 - シネマカフェ


いろいろあって3週間近く映画を観てなくてひさしぶりに見たのがこの作品でしたが、めちゃくちゃおもしろくなくてがっかりしました。いやまあおもしろくないのは予告を観て覚悟してましたし、そもそも観に行った理由は「ちょうどいい時間に観られる作品がこれしかなかったから」というだけなので過度な期待をしていたわけではないのですが、もうマジでダメでした。

まず一番文句を言いたいのは「ホラーなのに怖くないのってどうなの?」っていうことです。


この作品ではある人形が恐怖を呼び寄せる、生み出す存在として冒頭から出てくるわけですがこの人形のやることなすこと全部怖くありません。見た目はたしかに不気味さを感じさせる素養はあるのですが、なんかこうね、まったく怖くないんですよ。

しかも物語がすすむにしたがってどんどん怖くなくなっていって、最後の方ではもはやギャグのような行動をとる始末でして、ホラーじゃなくてコメディだったらもっと評価されてたかも知れないなーなんていうよくわからないことをぼんやりと考えながら鑑賞しました。


そもそも怖くないだけでなく、ストーリーがおもしろくない、演出が雑、登場人物の誰もが魅力的に見えないといった感じで観ている人に興味をもってもらえそうな要素が何一つないことに観ている途中で気付きました。煽りでもなんでもなくて、もしこの作品がおもしろいという方がいたら、どのへんにおもしろさを感じたのか教えていただきたいです。

あ。そういえば、演出家が女優に仕事をえさに枕営業を強要するシーンがあるのですが、このスタッフ、キャストであんなシーンを入れるというのはどういう意図なんだろうなあというのはちょっと気になりました。それを断った女優が干されるという無駄にリアルな展開もほんとうにこの作品に必要だったのかどうか謎ではあります。


あと観ていてすごく気になったのが主演の子の目に対する違和感。

本作の主役、水樹沙羅を演じた子はふだん前髪をおろしているシーンではすごくかわいらしい感じなのですが、髪をアップにしたり顔がアップになって目元が強調されるシーンになると顔全体の割合と目の比率がどうにも違和感がありましたし、ちょっとした衝撃が加わったらボロボロと崩れてしまうんじゃないかという不安定さを感じる造形をしていて直視するのがつらかったです。平時のシーンはすごくかわいらしいんですけどね....。

ホラー映画なのに怖くないという根本的な部分に欠如があると言わざるを得ないこの作品において、ゆいいつ能動的に恐怖を振りまいていたのが映画の内容にまったく関係のない主演の子の容姿というところになんとも言えない気分になりました。アイドルが整形しているとかそういう話はほんとうに好きじゃないのであまりしたくないのですが、でもそういう話に疎いわたしでさえもこれはちょっとやり過ぎじゃないかと思ってしまうくらい作り物感のある目が怖かったです。

この子を売り出したいのであればもうちょっとうまく撮ってあげればいいのに、なんでこんなふうに違和感が増幅するような感じに撮ってしまったのか理解に苦しみます。


そして目だけでもすごく苦手だったのに、困った風な顔もわざとらしくてかなりダメでした...。調べてみたらかなり人気のあるアイドルらしいのでtwitterには怖くて書けませんでしたがめちゃくちゃ苦手なタイプでした。


ホラー映画なんだし怖ければそれだけでよかったと思うし、そうじゃないならかわいい女の子をかわいらしく映してくれたらよかったと思うんだけどなんでこんなことになっちゃったんでしょうか。


@MOVIX宇都宮で鑑賞

「俺物語!」見たよ

映画


主人公・剛田猛男(鈴木亮平)は高校1年生。全く高校生には見えない顔面と巨体の持ち主 、かつ豪傑・硬派なまさに純日本男児。いかつい風貌と不器用さで女子から恐れられているが、情に厚くいつ何時も人助けをする包容力で男子からの信頼はアツい! これまで好きになった女の子はみんな、猛男のマンションの隣に住む 超イケメン・砂川誠(坂口健太郎)のことを好きになった。猛男も砂川のことを素晴らしい男だと認めていたので、そうなることも仕方のないことと思っている。タイプは違えど、猛男と砂川は親友なのだ。ある朝、猛男と砂川は街中でしつこくナンパされている女子高生・大和凛子(永野芽郁)を救い、猛男は大和に一目惚れをしてしまう。再び会うことになったある日、ふとした大和の言葉で「大和は砂川のことが好きなのだ」と猛男は気づく。落ち込みながらも大和のために一肌脱ぎ、仲を取り持とうとする切ない猛男だったが――。

俺物語!! 映画作品情報 - シネマカフェ

鈴木くんが30kgも体重を増やして役作りをして撮影に臨んだということで話題になっていた本作ですが、その役作りの成果が作品の出来に反映されているとてもよい作品でした。鈴木くん以外のキャストもすごく作品の世界観になじんでいたためにスッとこの作品の世界に入り込めたし、凛子と猛男のくっつきそうでくっつかないあの微妙な距離感へのもどかしさを演出するためだけに組み立てられたストーリーはとてもシンプルだけど不自然さを感じさせるところもなくてとてもよかったです。

個人的には決定的に悪い人が出てこなかったのもすごくよかったなと思ったし、小さな範囲で収まるこじんまりとした話でしたが2時間楽しく鑑賞することができました。


この作品は凛子と猛男がくっつくまでの物語であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
いろいろと寄り道はしますが基本的にはただそれだけのお話です。


しつこいナンパに困っていた凛子を持ち前の正義感から猛男は助けるのですが、そのことで凛子は猛男に好意を抱いて近づいていき、おいしいお菓子や食べ物を武器にアプローチをかけるのです。ところがその豪快な容姿ゆえに女性から好意を寄せられたことのなかった猛男は、凛子の好意を自分の友人への好意と勘違いして自らは身を引こうとしてしまいます。

凛子は精一杯好意を伝えているつもりなので「猛男は自分の好意に気付いているはずだ」と思い込み、猛男は猛男で「これは自分に好意があるからやってくれているのではなく、自分の友人に対する好意からやっているんだ」と思い込んでしまいます。

出会ったときから二人は両想いだったのに、たった一言「好きだ」という直接の言葉がなかったがために気持ちはどんどんすれ違ってしまいます。もしも...というのも無粋な話なのですが、もしも凛子が最初から「猛男が好きだ」と本人に目を見て伝えていればこの作品は10分くらいで終わることになるくらいのお話しなのです。

でもこういう「相手はわかってくれているはず」「こういうことなんだろうな」という思い込みが事態を複雑にするのってすごく10代の人たちの話っぽいというか、あの場で一言でも言えたらその後の状況・結末はぜんぜん違ってたはずなのに...ということって10代のころには本当にたくさん経験すると思います。

わたしも似たようなことを何度か経験したし、こういう経験をとおして「どんなに言いにくくても言わなきゃいけないときがある」ということをみんな学んでいくんだろうなと思うのです。

猛男と凛子のやり取りにすごくやきもきしましたがその焦れる感じも含めてとてもおもしろかったです。


そういえばさいきんよく見かける坂口健太郎くんも出ていましたが、以前はそんなにかっこいいとは思わなかったのですがこの作品ではとてもかっこよかったです。わたしもあんな幼なじみが欲しかったなー。


@MOVIX宇都宮で鑑賞

「起終点駅 ターミナル」見たよ

映画


北海道の旭川で裁判官として働く鷲田完治(佐藤浩市)のもとに、学生時代の恋人・結城冴子(尾野真千子)が被告人として現れる。彼女に執行猶予付きの判決を与えた完治は裁判後、冴子が働くスナックに通い逢瀬を重ねるようになるが、かつて愛し合った男と女の再会の時間は限られていた。2年の北海道勤務を終え、妻子の待つ東京へ戻る日が近づいていた完治だったが、彼はすべてを捨てて冴子と共に暮らしていこうと決める。けれど、冴子はその想いに応えることなく完治の目の前で自ら命を絶ってしまうのだった。 それから25年。完治は誰とも関わることなく釧路で国選弁護人としてひっそりと生きていた。それは まるで愛した女性を死に追いやってしまった自分自身を裁き罰を課すようでもあった。そんなある日、弁護を担当した若い女性、椎名敦子(本田翼)が完治の自宅を訪ねてくる。ある人を探して欲しい という依頼だった。個人の依頼は受けないと心に決めて生きてきた完治だったが、家族に見放され 誰にも頼ることなく生きてきた敦子の存在は、ずっと止まったままだった完治の心の歯車を少しずつ 動かしていく。敦子もまた完治との出会いによって、自分の生きる道を見出していくのだった。

起終点駅 ターミナル 映画作品情報 - シネマカフェ


本田翼目当ての軽い気持ちで見に行ってきましたが大やけどしました。
帯広、釧路の美しい風景はたいへんすばらしかったのですが、起きた事象を点々と描いているだけでどのシーンもつながりが感じられなくて話が盛り上がらないし、加えて演出があまりに空々しくて見ていて白けた気分が1秒も抜けませんでした。話がつまらないというのが一番ダメなポイントですが、そう感じる原因は話の展開させ方とか各シーンの見せ方がとにかく残念過ぎるのです。

ひどい....。もう全体的にひどすぎます。


本作はさかのぼること25年前から始まります。

当時旭川で裁判官として働いていた鷲田は、違法薬物を所持していた人の裁判に立ち会った際に被告が昔の恋人の結城であることを知りおどろきます。鷲田は意図的なのかどうかはわかりませんが彼女に執行猶予付きの判決を与え、その後彼女が営むスナックに通うようになるのですがあっという間に体の関係をもつようになります。

鷲田はそのときすでに結婚していて妻と4歳になる息子を東京において単身赴任していたのですが、そんなことなど一切気にかける様子もなく秒殺で元カノと不倫を決め込むあたりに何やら深い闇を見たような気がしました。単身赴任先での浮気なんてそりゃバレないでしょうけどそれにしたってこういうときにはもうちょっと葛藤が生まれるもんじゃないの?と思いつつ、でも夫婦仲が冷え込んでいたらそういうもんなのかも知れないなと最後には妙に納得してしまいました。

そんなこんなで元カノと定期的に逢うようになった鷲田ですが、東京高裁への転勤を命じられたことをきっかけにして裁判官をやめて元カノと町を出て二人で暮らすことを決意します。ここであらかじめ書いて起きたのですが、この作品ではすべての出来事が前振りなど一切なく突然起こります。

その唐突さによって物語は破壊されてよくわからないものへと形を変えることになるのですが、おそらく「原作読んでる人ならわかるでしょ」的な甘えがこういうことを許してしまったのだろうと思います。とにかく話が突然別の方向に舵を切ることが多く、そのたびに頭の整理が一気に大変になります。

話を戻して、鷲田は裁判官として順当にキャリアを積みつつ何不自由なく仕事に打ち込んでいたはずなのに、急に仕事を辞めたうえに離婚までして元カノとくっついて別の町に住むことを表明するという人生の方針を大きく変更することを選ぶのです。観ている方としてはなぜ鷲田がその心境にたどりついたのか?そこまで方針を転換するに至ったのか?ということについて説明してほしい、理由を知りたいと思うわけなのですが残念ながら作中では一切語られることはありませんし何も伝わってきません。

ただただ唐突に変わってしまっただけなのです。


さらにいざ町を出ていこうとしたときになぜか元カノは彼の目の前で電車に飛び込んで自殺してしまうのですが、ここのシーンは言いたいことはそれとなくわからなくはないのですが、演出が微妙過ぎてその認識でいいのかどうか不安になってしまいます。


そして話は25年後へと飛んで現代が舞台となるわけですが、結局ここでもイベントは唐突に起きるだけでそれに対して納得できるだけの理由なり動機が提示されることはほとんどありません。時折差し込まれる釧路の憧憬に癒されましたが、もう大半が面白みの欠片もないシーンばかりで観ていて苦痛でした。


ギャラクシー街道とどっちがつまらないのか両方観た人に聞いてみたいです。


@TOHOシネマズ宇都宮で鑑賞