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JUNO


16歳の女子高生のジュノ(エレン・ペイジ)は、いつもの退屈な午後、気取らないところが魅力的なクラスメイト・ポーリーと関係を持ち、予定外の妊娠をしてしまう。生まれてくる赤ちゃんに完璧な両親を見つけようと思い立ったジュノは、親友のリーとともに、養子を望む裕福な夫婦、マークとヴァネッサを見つける。9か月間を通して、体形の変化とともに、様々な感情に揺さぶられながら、大人になるための問題に真正面からぶつかっていくジュノ。彼女が最後に下す選択とは…? 『サンキュー・スモーキング』のジェイソン・ライトマンが贈る、ポップでキュートな成長コメディ。

JUNO/ジュノ 映画作品情報 - シネマカフェ

TOHOシネマズ宇都宮にて。
たった一度のSEXで子どもが出来てしまったJUNOの出産までの9ヶ月とその後を描いた物語。
爪が生えてるというたったそれだけの理由で子どもをおろすことを止めるジュノ。育てられないからと生む前から里子に出す事を決めてしまうジュノ。あまりに自由な振る舞いにはめまいがしてきそうですが、どんどん大きくなっていくお腹を隠そうともせず、その奔放な性格で周囲の反応などお構いなしに自らの考え/信念を貫く彼女が魅力的に見えてしまう、とても惹かれるところの多い作品でした。ホント、観ることが出来たことそのものに感謝したい気分になりました。
あと、ジュノがでっかいタンク入りのジュースを片手に歩き回るオープニングはすごくおしゃれでよかったです。あのシーン大好き。


ネタばれというか内容に過剰にふれてしまいそうな部分があるので、詳しい感想は後述します。


初めてこの作品の予告を観たのはたしかシネアミューズかCQNだったのですが、その時にこの作品は絶対に宇都宮では観れないだろうなと非常にがっくりした記憶があります。テアトル無きこの宇都宮でまさか公開直後にこの作品が観られるとは夢にも思っていませんでした。
昨年のボラッドもそうですが、TOHOシネマズ宇都宮の上映作品にはたまに驚かされますし、上映作品のセンスのよさはもっと評価されていいと思います。

公式サイトはこちら



さてこの作品の魅力はいろいろとあるだろうけれど、私にとっては観ていて「あー、そうだよね」と共感出来るすごく多いところにすごく惹かれました。
例えば、ジュノの子どもを養子として迎え入れたいといったマーク/ヴァネッサ夫婦が離婚に至るシーケンスはすごく分かるなーと思いながら観ました。
最初は子どもを迎え入れることに前向きな姿勢を見せていたマークが、それが現実味を帯びるに従い、自分は子どものことより自分のことをまだやっていたいと逃げ腰になるシーンを見て、同じ男としてすごく分かるなーと思わずにはいられませんでした。


今から5年前。自分に子どもが出来たと分かった時、最初はとにかく嬉しいという感情が爆発的に膨らんだのですが、時間が経ち、マコ*1のお腹が大きくなるにつれて、それまで膨らみ続けていった期待をドンドン不安が押し潰していくように感じました。

    • 子どものいる生活への不安
    • 自分みたいな人間が親になっていいのかという不安


そんなさまざまな不安が首をもたげてきて、生まれる直前は楽しみにするどころの話ではありませんでした。


それまでのマコと二人の生活は、学生時代に一緒に住んでた時の延長でしかなかったのですが、そこに子どもが加わることで様相が一変してしまいそうな気がしていました。きっと今までのように自由には振舞えなくなるだろうとは思いましたし、そうなる事で自分が自分ではなくなるようなそんな不安も大きくなりました。たぶん、自分が演じるべき役柄に父親という別の役が加わることで周囲の自分を見る目が変わってしまうのではないかという不安だったのかも知れません。
そして子どもを育てるためには自分がそれまで大事にしてきたものも捨てなければならないという事実には、結婚生活を止めたいと思わせるに十分な破壊力があります*2


そんな私の心境とマークの心境はすごくシンクロしてて、マークのことをひそかに応援したくなりました。


でもそんな覚悟が決められなかった私ですら今では二人の子どもがいて、楽しく生きてます。
そんな私だから言える事があるとすれば、親になる覚悟なんて最初から持っている人なんてそうは居ないということです。特に男はそうじゃないかな。お腹が大きくなるわけでもないので覚悟も決められず、ただ漫然と自分の生活が侵されるような不安をもってしまうそんな過去の自分を正当化するわけではありませんが、「男性は育児を経て父親になる」という言葉がすべてだと思います。なる気になれば、きっと誰もがなれるんですよ、心配しなくとも。


でもマークは仕事の出来る人だったのでなおさら自己実現への希望が捨て切れなかったのでしょうし、そのこと自体は責められるべき事じゃないよねと強く共感しました。それを強行出来る強さというか傲慢さは同性としてあこがれるなあ。


そうそう。
それと出産後に見せたジュノの涙にはちょっとぐっときました。それまではさっさと子どもをひねり出して終わらせたいとか言ってたのとは対照的に見せたあの表情はすごくよかったです。お腹を痛める事で覚える感情が母性だと言いたいのか、10ヶ月を共にしたことでジュノの心境に少なからず影響があったと示唆しているのか、それは正直分かりません。でもジュノは全てを事務的に終えられるほど強い子、例えばそれまで見せていた憎まれ口ばかりを叩いて横柄な態度を見せる性格、ではなく、どこにでもいそうな普通の16歳の女の子だったのだというのが伝わってきて何だかたまらない心境になりました。


今月に入って観た映画はとにかく面白い作品ばかりでどんどん他の作品にも興味が出てきます。


*1:

*2:あー、こんな事書くとマコに怒られそうだなあ....