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「ワイルドバンチ」見たよ

ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]

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1913年、テキサス州国境の町サン・ラファエル。パイク・ビショップ率いる強盗団の“ワイルドバンチ”は、騎兵隊を装い鉄道事務所の銀貨強奪を図る。しかし牢獄からの釈放を条件に鉄道会社に雇われた嘗ての旧友デケ・ソーントンに指揮された賞金稼ぎたちに待ち伏せされ、銀貨強奪には失敗し、パイクたちはメキシコへ逃走する。

賞金稼ぎたちとの銃撃戦で生き残ったのは、パイクの他にダッチ・エングストローム、ライルとテクターのゴーチ兄弟、エンジェルの4人だけだった。国境を越えてエンジェルの故郷の村に着いたパイクたちは、村が政府軍のマパッチ将軍に脅かされている事を知る。更にエンジェルは、恋人テレサがマパッチに連れて行かれた事を知って嘆く。

ワイルドバンチ - Wikipedia

TOHOシネマズ宇都宮にて。午前十時の映画祭にて鑑賞(12本目)


過激で痛々しいけれどかっこいい映像満載の作品でした。次々と表情を変えて一転二転するストーリーもよかったし、細かい部分までこだわったと思われる演出からうかがえるように気配りも隅々まで行き届いていた点もすばらしかったです。


強盗団と賞金と釈放目当てでその強盗団を追いかける賞金稼ぎたちの争いが本作のメイントピックなのですが、それを単なる「悪人たちの闘争」と見られないようにいくつも工夫が重ねられていたのはとても興味深かったです。その中でもわたしがすごく感心したのは以下の2点です。

    1. 対立する両者を単なる善と悪という抽象的な二極で描いていない
    2. 笑いで仲間クラスターを明確にしている


もう少し詳しくまとめます。

対立する両者を単なる善と悪という二極で描いていない

例えば、この作品の構図が強盗団 VS 賞金狩りというものであると考えれば、どちらかにスポットを当てて正義 VS 悪という対立を描くことも可能だったはずですし、そういう描き方が普通だとわたしは思っていました。どちらに感情移入するにしてもそういった明確な対立軸があった方がわかりやすいじゃないですか。
ところが本作ではあえてこういった構図はとらずに、あくまで両者を並列の存在として描いており、どちらにもそれぞれが抱えてきた人生があって生死をかけて戦っているんだということをひたすら丁寧に描いているのです。そうすることでどちらにもそれぞれの事情があって、どっちがいいとか悪いとかそんな単純なことではないというのが伝わってきますし、どちらかに悪というレッテルを貼って一方的に排除するよりも非常に物語にふくらみが出てくるのです。


観始めてしばらくはどちらに自分の視点を置くべきか悩んだのですが、そういった一面的な視点ではなく物語全体を俯瞰して鑑賞すべき作品であるとわかってからはかなり楽しんで鑑賞すること出来ました。

笑いで仲間クラスターを明確にしている

比較的過激なシーンの多い作品でしたが、意外なことに「みんなで笑いあう」シーンもすごく多かったことが記憶に残っています。
そしてこのシーンを見ていて、「笑う」という行為を共有出来るかどうかが仲間であるかどうかの判断基準になっているのではないかと言うことに気付いたのです。
これは欧米人のジョークが日本人にはわかりにくかったり受け入れにくいということを考えればわかるのですが、笑う行為というのは文化的背景を両者が共有していないと難しい面があります。つまり、相手が発した言葉や行為の本意を汲み取ってそれがおかしいものであると気付くことが出来る必要があるのです。


本作ではさまざまな利害対立関係にある人々が出てきますが、彼らは相手が自分の味方かどうか見極める方法としてこの笑いをとても重視しているように見えました。



とてもエキサイティングな作品でした。