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「アイガー北壁」見たよ


1936年夏、ナチス政府は国家の優越性を世界に誇示するため、ドイツ人がアルプスの名峰・アイガーの北壁を初登頂することを強く望んでいた。大いなる期待を背負って、トニーとアンディは恐るべき“殺人の壁”に挑む。だが、彼らの前にヴィリーとエディというオーストリアの強敵が立ちはだかる。さらに、トニーの元恋人でジャーナリストのルイーゼも、世紀の瞬間を見届けるために現地入り。だが、クライマーたちを待っていたのはあまりにも過酷な運命だった…。アルプスの名峰・アイガー登頂に挑んだ、実在の若き登山家たちの壮絶な運命を描いた真実の物語。

アイガー北壁 映画作品情報 - シネマカフェ

(注意)
感想の中には作品の結末に触れている部分があります。未見の方はご注意ください。


宇都宮ヒカリ座にて。
前人未到の山へ登ることに挑み、そして散っていった登山家たちの物語。


歴史に「もしも」は無いというけれど、もしもこの登山家たちが山に挑む理由が「純粋にこの山を登り切ってみたい」という欲求からくるものだけであったら、その願いは達成できたかも知れまない、もしくは少なくとも死ぬことはなかったんじゃないかと思ってしまいます。
普段のトニーとアンディは山に登るのが大好きで、山に登るのに夢中で門限を破ってしまうくらい山登りを愛してやまなかったのです。ところがアイガー北壁に挑んだ時の彼らは、たしかに世界で一番最初にここを制したいという純粋な気持ちがある一方で、自国からの期待を背負っているという気負いや、好きだった人にいいところを見せたいという気持ちもまた混ざりこんでいたのです。
本来の彼らであればもっと慎重に事を進めていただろうし、さらにハプニングがあればすぐに撤退するという正しい決断も出来たはずなのですが、さまざまなしがらみや想いが混じり合ってしまって選択を誤ったために山で命を落としてしまったと感じるのです。


何かを達成しようとするときに、それを達成したいと思う気持ちを支える感情はシンプルであればシンプルであるほどよいと思っています。さまざまな事情に支えられてモチベーションが保たれている時というのはどれかが崩れてしまったらバランスまで崩壊してしまうし、そうなると正しい判断をするのが困難になってしまうのです。
人間ですからいろんな欲求があって当然ですし、純粋な気持ちで何かを欲することなんて本当に難しいと思うのですが、でもだからこそ本当に大きなことを成し遂げられる人間というのは一握りなんだろうなと思うわけで。
何だかものすごく悲しい物語でした...。


それにしても、この作品における雪山の描写のリアリティはとても強烈で、彼らと一緒に登攀し、そして一緒に遭難してしまったような錯覚を覚えそうになりました。

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