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「ライムライト」見たよ

ライムライト (2枚組) [DVD]

ライムライト (2枚組) [DVD]

かつてイギリス一と言われた道化師のカルヴェロ。いまや中年を過ぎすっかり落ちぶれ酒浸りの日々を送っていた。
ある日カルヴェロは、自殺を企て意識不明で倒れていたテリーという美しいバレエの踊り子を助ける。テリーは姉が娼婦となって自分のレッスン代を払ってくれていたことを知ってから足がマヒしてしまった。すっかり失望して生きる気力を無くしていた彼女をカルヴェロは献身的に介抱し、もう一度バレエを踊らせる。
再び踊りはじめたテリーはダンサーの職を得、作曲家のネヴィルにも気に入られ新作バレエの第一ダンサーに抜擢される。一方のカルヴェロはカムバックに失敗し、逆にテリーに励まされる始末だった。

ライムライト (映画) - Wikipedia

TOHOシネマズ宇都宮にて。午前十時の映画祭にて鑑賞(25本目)。


人生初のチャップリン作品でしたが、本当にすばらしかったです。
冒頭、いかにもよっぱらい然としたおかしな動きで笑いを誘ったかと思えば、笑いが取れなくなって人生に行き詰っている道化師の辛い心境を痛々しいくらいにリアルに表現してみせたりと、まさにチャップリンという人の持つ演技の幅広さ、ユニークさにガシっと心をわしづかみにされました。超魅了された!!
生きることや幸せなど、多くの人が考えたり悩んだことのある普遍的なテーマに対するひとつの答えを提示してくれたこの作品は、わたしにとってとても大事な作品となりました。
傑作中の傑作です。


とにかくこの作品には印象に残るシーンがとても多いのですが、その中でもとても特に記憶に残っているシーンが二つあります。


ひとつは足が動かなくなってバレエを踊れなくなり絶望したテリーに対して、カルヴェロは"死と同じで生も避けられないことなんだから、自分の中にある力で生きる意思を持つんだ"というようなことを伝えて励ますシーンがあるのですが、これがものすごい悲しいんです。
足が動かなくて踊れないバレリーナが自身の存在価値を見失ってしまったように、その時のカルヴェロも人を笑わせられなくなった道化師として自身の存在価値を見出せずにいたんですよね。つまりカルヴェロはテリーをその言葉で励ましながらも、どこかでその言葉を自分自身にも言い聞かせようとしているようにも聞こえるんですよね、これ。


そしてもうひとつはラスト直前のカルヴェロがステージに立つ直前の楽屋のシーンなのですが、笑いを取れなくなってからは劇場を避けるようにして生きてきたカルヴェロに対してテリーは「劇場はお嫌いなんでしょ?」と問いかけるのですが、それに「血も嫌いだがでもわたしの体を流れている」とカルヴェロが返すのです。
好きだとか嫌いだとかそういった次元を超えて、舞台に立って表現することは自身の人生を構成するために不可欠なひとつの要素であることを言い切ったところにとてもグッときました。


ただ、正直好きだといったどちらのシーンも冷静に見ればたぶんクサいセリフを言ってるような気がするんですよ。たしかにそれについては何となく観てるときも感じてはいるのですが、でもそういう細かいことは全然気にならなくてただただカルヴェロの生きることへの真摯さがすごく素敵だと感じてしまうんですよね。


もう少し年をとってカルヴェロの年齢にもっと近づいたらもう一度観てみようと思います。