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「キック・アス」見たよ


スーパーヒーローに憧れを持つ高校生・デイヴ(アーロン・ジョンソン)は、インターネットで買ったスーツとマスクを身に付けDIYヒーローとして街で活動していた。最初は犯罪者にあっさりやられるものの、懲りずにパトロールを続行。のちに「キック・アス」として名が広まっていく。しかし街のパトロールをしていたのは彼だけではなかった。高度な訓練を受けた父娘デュオ「ヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)」と「ビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)」の出会いによって、デイヴは街の犯罪組織に立ち向かうことになる――。ブラッド・ピットがプロデューサーとして名を連ねるスーパーヒーロームービー。

キック・アス 映画作品情報 - シネマカフェ

MOVIX宇都宮にて。


自分の言葉遣いの拙さはさておいて、わたしは言葉にうるさいところがありまして日常よく目にする言葉の中にも嫌いな言葉がたくさんあります。その暴れん坊ぶりは現代の魔女狩りと呼んでも差し支えない状態でして、そういう嫌いな言葉を目にするたびにその発言者に対して不快感と敵意をあらわにしてしまいます。
その中から具体的な例を挙げると「情弱(情報弱者)」なんかはもう死ぬほど嫌いな言葉でして、他人を見下している空気がパンパンに詰まったこの言葉を目にするたびに、寿命が30分は縮むんじゃないかと言うくらいイライラしてしまいます。


そんなわたしがもっとも嫌いな言葉は何か?というと有名税という言葉です。

有名税(ゆうめいぜい)とは有名であるが故に生じる問題や代償。実際にそういう税金が存在するわけではない。

有名税 - Wikipedia

言葉の意味としてはおおよそこのとおりなのですが、実際にはこの言葉自体が嫌いというよりも最近よく使われる「有名税」という言葉の使われるコンテキストがすごく嫌いなのです。有名であることがまるで悪いことであるかのような批難をこめられたり、有名になるような人はそのくらい対価を払うことはしょうがないみたいな言い草がとにかく気に入らないのです。


さて。話は変わりますが、本作の冒頭で主人公のデイブが友人たちに「何で誰もヒーローになろうとしないのか?」という問いかけをします。多くの人から期待されたり支持されたり、そして憧れられたりするヒーローになぜ誰もなろうとしないのか?というのはたしかに疑問に感じる気持ちも分からなくありませんが、多くの人たちは年を重ねて成長していく中でその答えを見つけていきます。


その答えとは「ヒーローは割に合わない」ということです。


ヒーローに向けて賞賛の声をかける人たちの多くは、自分では戦わない人たちばかりです。
自分たちに降りかかる不利益にあらがう力もなく、守ってくれる人にすがるだけ。自分には戦う力は無いから戦えないんだと思い込んでいる人たちばかりなのです。そしてそういう人たちは、力のある人に戦う責任を押し付け、戦う人が被る不利益を有名税と言う言葉で片づけるのです。
そんな無責任で他人任せな他者のために戦うことが果たして割に合うかどうかと考えれば、答えは自ずと見えてくるのです。
ヒーローは割に合わないんだなと。


本作が示したのは「力があるから戦えるんじゃない」ということであり「戦う意思こそが強さにつながる」ということでした。
言いかえれば「力を持たないことは戦わない理由にはならない」っていうことなんですよね。この主張にすごくグッときたのと同時に、自分自身も弱さを理由に戦うことから避けてきた事実と向き合わされてしまい、ただただ恥ずかしい気持ちになりました。


ヒットガールのバトルシーンを中心にとにかく印象的なシーンが多い作品ですが、その中でも最も好きなシーンはキックアスがレストラン前で3人の暴漢相手に戦うところです。
ボロボロにされながらも「おれはただみているだけの人たちになりたくない」と声をあげるデイブの叫びには心が震えました。
この時のデイブはヒットガールやビッグダディのように強いわけではないけれど、でも折れない心、戦う意思をはっきりと示したのです。その肉体的な弱さが、より対照的な心の強さを表現しているように感じられるすごくいいシーンでした。


思うに、この世の中にパーフェクトなヒーローなんていないし、いちゃいけないんじゃないかなというのがこの作品を観て得た結論。
そういうヒーローが一人いると、その人以外の多くの人は自ら戦うことを放棄してヒーローにすべて丸投げしてしまうし、それは結局誰も幸せになれないんじゃないかなと思うんですよね。


誰かがヒーローとして頑張るんじゃなくて、たとえ力をもっていなくても一人一人が自ら戦う意思をもつことが大事なことだということ。
わたしはこの作品からそんなことを感じたのでした。


いろいろグダグダ書いてしまいましたが、実はこの映画は既に二回観に行ってましてもう一回観に行きたいと思ってるくらいすごく気に入っています。ここでは書かなかったのですが、やはりヒットガールが出てくるシーンはどれも爽快でみているだけですっきりするし、本当に楽しいんです。
ここしばらく、こんな面白い映画は観たことがないと思っているくらいすばらしい作品だと思っているので、もし近くで観られる方はぜひ映画館でご覧ください。もう少しでBDとDVDも出るようなのでそれを待ってもよいですが、映画館で観ることに価値のある作品だとわたしは思います。


映画好きな方にいまさらですが、とりあえずここ数年一番のお奨めです。



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