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映画館へ行こう

映画館で映画を観るのが大好きです

「さよなら渓谷」見たよ


緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。実母が容疑者として逮捕され、事件は終息へ向かうと思われた。そんな中、隣家に妻とふたりで暮らす尾崎俊介大西信満)に、その母親と不倫関係にあったという疑惑が浮上する。その証言をしたのは、なんと俊介の内縁の妻、かなこ(真木よう子)だった。現場取材を続ける週刊誌記者の渡辺(大森南朋)は、15年前に起きた、レイプ事件にたどり着く。それはふたりの夫婦の、とてつもない秘密を暴き出す――。

さよなら渓谷 映画作品情報 - シネマカフェ


MOVIX宇都宮で観てきました。


一見普通の夫婦に見えた男女が、じつはレイプ事件によって人生をめちゃくちゃにされて行方不明になっていた被害者とその加害者という関係にある二人で...というお話でしたが、ひとの心を計り知ることのむずかしさを丁寧に描いたよい作品でした。内容を鑑みればおもしろかったと表現するのはいささか配慮に欠けるかも知れませんが、言語化するのはむずかしいけれど誰もが感じている男女の違いとか分かりあえなさみたいなものを映像をとおして伝えてくれたすばらしい傑作だったと思います。
観ている時も結構好きだなと感じていましたが、観終えて帰ってくる道中でいろいろと考えていたらもっと好きになっちゃいまして、いまでは上半期のトップ3に挙げるくらい大好きな作品です。


この作品で一番印象に残っているのは、レイプ加害者にわずかな共感をおぼえていることを冷ややかに指摘された男性があわてるというシーンでして、ここのちょっとしたやりとりによって「スクリーン越しにただ観ているだけだったわたし」が作品の中に引きずり込まれたと感じましたし、そのくらいここの演出はうまいなと感心しました。で、この指摘した女性を演じていたのが鈴木杏ちゃんなのですが、主演の真木よう子もよかった(すごかった)のですが、鈴木杏ちゃん演じる小林杏奈のキャラがわたしは一番好きでした。


あとはラストシーンのあとの展開については男性と女性で予想が大きく分かれそうな気がするので、ぜひ異性と人といっしょに観に行ってお互いに感じたところを話し合ったらおもしろいだろうなと思いました。わたしもマコ*1を誘って二回目を観に行きたかったのですが、マコはこういう暗い話はあまり好きではないので結局観に行けずじまいでした...。



あと、映画を観た人のあいだで話題になっていた「エンドロールでながれる真木さんの歌がひどい」という件ですが、たしかに高音が出てなくてお世辞にも歌がうまいとは言いがたい感じでしたが、あまりにひどいと言われていたために覚悟していたほどひどいとは思いませんでした(というのも何となく失礼な言い回しですが)。

ただ、あえて真木さんに歌わせる必然性が感じられなかったというか、歌うことが得意ではない人をここで歌わせようと思った理由がちょっと知りたいなとは思いました。もしかしたらかなこ*2の心情を歌っているのかと思って歌詞に耳を傾けてみましたが、ぜったいにそうだとも言い切れないような内容でして、これであれば楽曲提供者である椎名林檎がふつうに歌った方がよかったんじゃないかなと思いました。


ちなみにこの件については真木さんがインタビューで以下のようなことをおっしゃっています。

Q:最後に。この作品では、椎名林檎さんが書き下ろしたエンディングテーマ「幸先坂」を、真木さんが自ら歌っていますね。


最初は不安でした。スタッフ、キャストの全員がいい画(え)を撮ろうとしていた、大好きな現場でしたからね。その、みんなで頑張って作った宝物のような作品を、最後にわたしがぶち壊したらどうしよう? と思って。そういうプレッシャーはありましたけど、林檎さんがつながった映像をご覧になって、この作品にピッタリの歌詞を書いてくださったので、かなこが歌っているかのように歌ったんです。

『さよなら渓谷』真木よう子 単独インタビュー - シネマトゥデイ


これを読むかぎりでは、エンドロールで歌うことに対してあまり乗り気ではなかったのではないかという印象を受けますし、実際に聴いてみてこの歌が作品にプラスになっているかというとなっていないと思うのです。


上でも書いたとおり作品自体は大好きなのですが、この点だけがどうにも腑に落ちなくてモヤモヤしました。


公式サイトはこちら

*1:

*2:真木よう子が演じた役名