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「STAND BY ME ドラえもん」見たよ


何をやらせても冴えない少年のび太の前に現れたのは、22世紀から来たのび太の孫の孫セワシと、ネコ型ロボット・ドラえもんだった。のび太の悲惨な未来を変えるため、お世話係として連れて来られたドラえもんだったが、乗り気じゃない。そこでセワシドラえもんに<成し遂げプログラム>をセットして、のび太を幸せにしない限り、22世紀に帰れなくしてしまう。果たして、のび太は幸せになり、ドラえもんは22世紀に戻れるのか――

STAND BY ME ドラえもん 映画作品情報 - シネマカフェ


ドラえもん好きであればだれもが知っているであろう有名なエピソードをつなぎあわせただけの作品」と言ってしまえばそれまでなのですが、それぞれのエピソードをきれいにつなぎあわせてひとつの物語として見事に完結させていてそこはすごく感心しました。

大好きなエピソードもいくつか入っていてすごくグッときたし、全体をとおして楽しく鑑賞できました。


感想を書く前に、まず見る前からすごく気になっていた監督のインタビューで発覚したある設定について述べておきます。
映画の公開直後に以下のインタビューが公開されたのですが、読んだときはあまりにひどい内容にげんなりしました。

ドラえもんの体内には、セワシの意向に反する言動を取ると、たちまち厳罰が与えられる「成し遂げプログラム」が組み込まれており、これは本作独自の設定だ。

「すてきな未来が来るんだぜ」と言う 映画「STAND BY ME ドラえもん」 山崎貴、八木竜一共同監督インタビュー (3/5ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

この成し遂げとは、将来のび太としずかちゃんを確実に結婚させること。ドラえもんは少しでも「未来に帰りたい」と口走ろうものならば、即座にプログラムが働き、強烈な電流を体中に流して反省を促すのだ。

 考案した山崎監督は「ドラえもんの葛藤がしっかりと描けるし、のび太との出会いと別れを効果的に表現できる。最初はドラえもんのび太と一緒に暮らすことを嫌がり、友情を育んだ後半はのび太と別れたくないのに未来へ帰らねばならなくなる。便利な装置でしょう」と狙いを説明した。

「すてきな未来が来るんだぜ」と言う 映画「STAND BY ME ドラえもん」 山崎貴、八木竜一共同監督インタビュー (4/5ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)


ドラえもんセワシくんの命令(のび太としずかちゃんを結婚するよう仕向ける)に背くような言葉を発した際には電気が流れるようになる」と聞くと、ドラえもんをまるで奴隷のように扱っているんじゃないかという気がしました。しかも監督の「便利な装置でしょう」っていう発言がよけいにその軽率さを印象付けたのですが、いざ観てみるとやる気のないドラえもんをその気にさせる程度のものでしかなくて、観ていてもそんなに違和感なく観ていられました。


さて、この作品について概ねおもしろかったと思っているのですが、中でもとりわけよかった点は思い入れのあるエピソードがいくつも出てくる点です。

わたしはどれも好きなものばかりでしたが、とりわけ結婚前夜が一番よかったです。
ジャイアンの家に集まって出木杉くん、スネ夫ジャイアンのび太が酒を飲むバチェラー パーティの様子は大人になってお酒を酌み交わすようになった4人がしんみりと会話をくりひろげていてすごくグッときたし、しずかちゃんがお父さんに結婚を止めたいと言い出すところから始まるお父さんの独演は、自分が娘を嫁に出すときのことを想像してしまって泣きそうになりながら観ました。

もちろんそういういいところばかりではなくて、たとえば未来を自分の好きなように改変しようと試みるなんていう「倫理的にそれどうなの?」という部分だとか、すぐにドラえもんに頼ろうとするのび太の甘えん坊将軍っぷりに腹を立てたりと好意的に見ていられる部分ばかりではなかったのですが、それでもそういう部分も含めて昔見ていたドラえもんらしさというものはすごく感たしわたしはすごく気に入りました。

逆にちょっと残念だったのは、エピソードをたくさん詰め込んでいたためか作品全体をとおしてテンポが良過ぎるがゆえにドラえもんのび太が仲を深める過程があまりにあっさりとしていたように感じました。そのため、両者が別れを惜しむという部分にやや説得力が感じられないなとも感じました。

長く原作ファンをやっているわたしは、行間を読んだというかこの作品では描かれなかった部分もあるのだろうと勝手にあれこれ想像して補完しましたが、単純にこの作品で描かれたエピソードを追っただけだと二人の別れ、ひいてはそのためにのび太がとった行動にいまいち共感ないし心が揺さぶられないんじゃないかなという気がしました。

というわけで不満はありつつも、原作のファンであれば十分に楽しめる作品だったと思います。

ただ、ゆいいつどうしても違和感をぬぐいきれなかったというか許せなかったのはエンドロールです。これがひどかった。

エンドロールでは、まるでジャッキー・チェンの作品のようにこの映画のメイキング映像(演技に失敗するドラえもんたちの様子)が映し出されていたのですが、ドラえもんでこんなことをしていいのかとかなりイライラしました。正直、映画自体のよさはぜんぶ吹き飛んでしまうくらいかなり怒りをおぼえました。

だってこれだと「この作品は全部作られたお話でドラえもんたちが演技しているんですよ」と言っているようなもんじゃないですか。
もちろん作り話は作り話でいいんですが、そこにもう一段メタな視点を持ちこむ必要があったのでしょうか?ないでしょ?

そもそも本当にリテイクを重ねて撮った作品であればともかく、そういったもののないアニメでこういうことをする意味がどこにあったのかさっぱり意味が分からないし、わたしはとにかく心底不愉快でした。あれでこの作品の全部が台無しになったなと本気で思ったし、あれを考えた人には二度とドラえもんに関わらないで欲しいとも思いました。


@MOVIX宇都宮で鑑賞



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