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映画館へ行こう

映画館で映画を観るのが大好きです

「祝宴!シェフ」見たよ


台湾では、お祝いごとがあると屋外で宴が開かれ、そこで腕を振るう総舗師(ツォンポーサイ)と呼ばれるおもてなしの心を極めた宴席料理人がいる。その中でも“神”と称された伝説の料理人を父に持つシャオワンは、料理を嫌い、モデルを夢見て家を飛び出していたが、父の死をきっかけに帰省。そこで父がレシピノートに残した“料理に込めた想い“に心を動かされたシャオワンは…。

祝宴!シェフ 映画作品情報 - シネマカフェ


先日、その人が感じている幸福感や充実感を数値化するシステムが開発されたというニュースが出ていました。


日立製作所が開発したのは、身体の動きのデータを元に、職場の幸福感や充実感を数値で表すシステム。首から下げた社員証型のウェアラブル端末の中に、互いを識別するセンサーが組み込まれ、「いつ」「誰と」「どれだけの時間」交流したかが記録されるという。

監視されてる気分?職場の「幸福感」をデータ化するシステムが誕生


内容を読むとまだまだ眉唾物のようですが、数値化できなかったものを数値化してみるというアイディアや試み自体はすごくおもしろくて好きですし、仮にこの仕組みからそれなりに正しい結果を得られるとしたら長い間わたしが妄想していた「ある仮説」を確認できるようになるんじゃないかと少し興奮しました。

わたしが思い描いていた「ある仮説」とは何かというと、生きとし生けるすべての人の幸せを数値化してその和をとったらゼロになるんじゃないかというものです。つまり、誰かが幸せだと感じていればその分他の誰かは不幸せだと感じていて全世界でその幸福度を平均するとプラスマイナスゼロになるんじゃないかと考えていたのです。

そう考える理由について考えてみたのですが、「幸せ」という言葉からはプラスな、「不幸」という言葉からはマイナスなイメージを受けるのですがこのプラスとマイナスという正反対のものが存在する状態のことを考えると電磁場に似ていると感じるからだということに思い至りました。


ある大きさ*1以上のエネルギーをもつ電磁波が相互作用の結果として電子を生成する場合には必ず陽電子も対で生成されます。
これは「その場に存在する電荷の総量は相互作用の前後で変わらない」という電荷保存則を前提とした考えなのですが、つまりもともと電荷の存在しなかったところにプラスなりマイナスの電荷が生じた場合には、それと同時にトータルで0になるように反対の電荷も生成されることになるわけです。


つまりプラスが生じれば同じ大きさのマイナスも生じるし逆もまた然りということでして、この考えが幸せ/不幸せにも適用されているというわけなのです。


本作は伝説の「宴席料理人」を父にもちながら料理の道に進まずに売れないモデルをしている女の子シャオワンが、借金返済のために大きな料理大会に出て賞金獲得を狙うというお話ですが、作品全体にただよう緩い笑いやとてもユニークな映像がすごくよかったのですが、それ以上にすばらしかったのが「敵役も含めてみんなが幸せになる結末」でして、このことにとても感動をおぼえました。


上でも書いたとおりわたしは幸せと不幸せは絶対値で考えれば同じ量しか存在しないと考えているのですが、とくに映画についてはそういうものだと考えています。つまり、映画の中で誰かが幸せになればその分誰かが不幸せになるものだと思っていて、たとえば主人公が幸せであれば敵役は不幸のどん底だし、逆に敵役がイキイキとしているときは主人公は苦境に立たされているものだと思っています。

勝つ人がいれば、その分の負けを引き受ける人がいるというのは当然のことで、WIN-WINの関係なんてのは強者が弱者に「お前も嬉しいだろ?」という押し付けというか自己満足だったり単なる自己正当化のエクスキューズだと思っていました。

ところが、本作では主人公も主人公からお金を取り立てようとした人たちも料理勝負で戦った人たちですらみんなが等しく幸せになっていて誰ひとり不幸にはならないのです。ある人は自分の身の丈に合った仕事を見つけ、ある人は宮廷料理人の地位を得て、ある人は自分の作った料理を認めてもらえて満足する。誰ひとり不幸にならずみながそれぞれ幸せになっています。

簡単に書いちゃいましたがこれって電荷保存則が破れるくらいにすごいことだとわたしは思っていて、こんなすごいことをくだらなすぎてニヤっとしてしまうような笑いで包んでさらりとやってのけてしまったことにただただ感動をおぼえました。これはもう一切の誇張抜きに感動したのです。

観終えてこんなにも気持ちよく、幸せな気持ちになれる作品はここしばらく見てなかったと思えるくらいすばらしい作品でした。


@宇都宮ヒカリ座で鑑賞



公式サイトはこちら

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